講演テーマ
「勝利はすべてミッションから始まる」
「4年でメダル」「ミッションから逆算して戦略を練る」をキーワードに、実際にロンドンで銀メダルを獲得するまでの戦略を披露。戦略の立て方、20年以上女子選手を指導してきた経験から、女性との信頼関係の作り方、勝つチームの作り方などについて伝えます。
「大戦略を小戦略にブレイクダウンする」
[ リーダーは伝わり方に工夫をこらす ]
押しつけの戦略は機能しない。戦略をチームで共有するためにはタイミングや伝わり方が重要。
また、ロンドンオリンピックで「第二シード」を確保するためにとった戦略も紹介する。
[ チーム全体でライバルを共有する ]
ライバルとなる選手たちをピックアップし全員で共有することによって、これからオリンピックまでにやらなければならないことや、弱点の改善に取り組んだ。そうるすことにより、チームを構成するひとりひとりが「何をおこなうべきか」役割を考えて行動することにより、「チームワーク」が強化できた。
「リーダーとしての姿」
[ できないことは任せる ~優れた参謀をもつものが勝利する~ ]
自分でできないことは人に任せる。自分自身は卓球の専門家であるがその他はできないこともあると認識し、卓球以外の専門家を6人招いた。また、これまで村上が人と接するときに夢を分かち合ったり、本音で話し合うなど楽しい時間を過ごすことで信頼性を高めた。
「情報を制し、敵の心理をよむ」
[ 相手の心理を読み切って裏をかく ]
情報を制するものが勝つという信念のもと、相手の心理を読みまたは相手から心理を読まれないようにリーダーは敵との騙し合いに勝たなければならない。特に卓球団体では当日のオーダーで、その大半がほぼ決まってしまうと言われている。
[ 勝敗のゆくえは「情報」が握っている ]
戦略、戦術の成否を決定するのは「情報」である。正確な情報をいち早く手にするものが有利戦える。また、情報はどこから漏れるかわからないので、守るべき情報は徹底して守ることが重要であると考える
講演実績
●主な競技歴
1983年 世界卓球選手権大会 混合ダブルス 出場
●主な著書
・『勝利はすべてミッションから始まる』(WAVE出版刊)
・『女子卓球の真実』 (啓文社刊/DVD)
村上 恭和
(むらかみ やすかず)
全日本女子卓球代表監督
卓球ナショナルチーム女子監督 日本生命卓球部監督
出身地・ゆかり
広島県
プロフィール
1957年12月9日生まれ。広島県尾道市出身。小学6年生のときに卓球に出会う。近畿大学付属福山高校から近畿大学に進み、一貫して卓球選手として活躍。
30歳のとき、和歌山相互銀行の卓球部で現役生活を終え、ママさん卓球の指導者として独立。
1990年、日本生命女子卓球部監督に就任。6年後に日本一になって以来、常勝チームとして君臨するチームに作り上げた。
1996年、日本女子代表コーチに就き、北京オリンピック後の2008年10月から監督。
2012年8月、ロンドンオリンピックにおいて日本卓球界悲願の初メダルを獲得。リオデジャネイロ五輪の監督に留任するとともに、2020年のオリンピックで金メダルを獲る戦略構想に着手。リオでは、15歳の伊藤美誠選手を積極起用し、2大会連続のメダルに導いた。